アメリカの教育制度:ELLについて

こんにちは〜!寒くなってきましたね☁️みなさんはどうお過ごしでしょうか。早朝や夜は冷えることが多いため、私は毎日服装選びと格闘しています。

 

今回はELLという教育制度をご紹介したいと思います。とても面白く、日本ではあまり普及していないようなのでぜひ最後までご覧ください。

 

 

ELLって?

 

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ELLはEnglish Language Learnerの略で、いわゆる英語を学ぶ人たちのクラスになります。私が親の都合でアメリカに転勤した際は全く英語が話せなかったため、このクラスを取っていました。

主にBeginner, Intermediate, Advancedの3クラスに分けられており、その人のレベルに合わせた授業を受けることができます。

ELLのクラスを取っているからといって他のクラスが取れないわけではありません。英語を問題なく話す・聞く・書く・読むことができれば文法の学習や英語で書かれた本を読んだりする、日本でいう「国語」のような授業を受けることができます。その間、ELLの授業は行われます。そのため、それ以外のクラスでは様々な人と関わることができるのです。

下記のウェブサイトによれば、ELLという言葉は3歳から21歳までの人々に適応されるそうです。私はアメリカの中学校に通っていたので見事に適応範囲でした。ELLの生徒は21歳まで高校に居残って勉強することもできるそうです。英語を第一言語としない人たちに優しいシステムですね。

 

What is the Difference Between ESL and ELL? – Top Education Degrees

 

ELLとESLの違いは? 

日本に帰ってきてESLの存在を知りました。ESLはEnglish as a Second Languageの略で、英語を第二言語として学ぶ人たちのクラスを指し、ELLと非常に似た制度かと思われます。しかし、英語が第二言語ではなく第三言語、第四言語となる人たちも多数いるという理由で今ではELLの方が普及しています。

また、先ほどのウェブサイトによるとESLをEnglish to Speakeres of other Languagesという略を提示していました。若干こじつけ感はありますが、第二言語という表現が不適切とされた今、新しい略称が生まれているようです。

 

ELLのカリキュラムは?

ELLではどんなことをするのでしょうか。レベルによってカリキュラムは異なりますが、映画を見たり、本を読んだり、プレゼンテーションやディスカッションを行ったり、様々なことをしました。

映画や本は難しいものではなく、シンプルで分かりやすいものを選んでくれていたようで、ところどころで止めて内容理解をチェックしていました。本は”Wonder”や"The Giver"というものを読みました。二冊ともとても面白いので読んでみてください♪
同じBeginnerのクラスでもある程度英語を話せる人もいれば一切話せない人もおり、ジェスチャーを使ったり翻訳機能を使ったりと教える側の先生も大変だったと思います。

アメリカの中学校のELLのカリキュラムを調べてみると、学校によって内容が違い、担当している先生により決められるようです。私の学校のELLでは教科書ではなくハンドアウトを使用していました。しかし教科書を利用している学校もあります。ELLには統一されたカリキュラムがないのです。

 

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日本にあるELLに似た制度

日本にELLのような制度があるか気になり調べてみました。文部科学省によると、JSLという日本語指導と教科指導の統合教育を行うシステムがあるそうです。その中の一つのアプローチとしてDLAといものがあります。一対一の会話により日本語の4技能を向上させるものだそうです。クラス制のELLとは根本的に異なりますが、言語力向上への道は一つではありません。ただ、自分と同じような境遇の人たちと協働することはいい経験になるのではないでしょうか。私は一対一ではなく、たとえ少人数であれクラス制を推進したいです。 

https://www.bunka.go.jp/seisaku/kokugo_nihongo/kyoiku/todofuken_kenshu/h30_hokoku/pdf/r1408310_04.pdf

最後に

中には、ELLのような制度は生徒に劣等感を覚えさせるという議論もあります。そういう生徒もいるかもしれません。ただ私は自分と同じような状況にある多様な国の友人と一緒に勉学に励むことがとても楽しかったし、アメリカだけではなくいろんな異文化と触れることができ成長できたと思うんです。そういう経験はELLじゃないと得られないのではないでしょうか。劣等感よりも大事なものがそこにある気がします。

今は新型コロナウイルスの影響で入国者は少ないですが、グローバル化が進む以上日本にも多くの外国人が住むようになるでしょう。そこで生徒や家族が入るか選択できるELLのようなシステムを導入すべきだと考えます。多くの外国人児童が教育に平等にアクセスできるようサポートが必要です。

 

今回はELLについてご紹介しました。世界には様々な教育システムが存在します。日本に合った教育システムを模索していきたいですね。

 

最後までご覧いただきありがとうございました♪

 

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